構成に関する考察【バトルグラウンド】
0.はじめに
この記事ではハースストーン バトルグラウンド(バトグラ)における「構成」という概念について考察することで、勝率を上げることを目的としています。
バトグラのゲームシーンでは「構成」という言葉が配信や他記事、twitterで多用されていますが、この記事での「構成」とは「酒場から取りたいミニオンが定まったときの、自分の盤面パターン」という意味だと思ってください。おそらく、みなさんが思う「構成」とは大きくずれていないとは思います。
2020/8/26 追記
先日、メガサウルスや魔力砲の除籍など、記事内容に影響ある変更が適用されましたが、毎パッチごとの修正はキリがないので、いったん記事はこのままにします。気分が乗ったら修正するかもしれません。悪しからずご了承ください。
1.現在存在する主な構成例と、その分類について
現存しているバトグラの構成を種族ごとに羅列すると、おおよそこのくらいかと思います(もちろん、例外はあるでしょうが)。
主な構成例
高スタッツマーロック
バガアグルを始めとした全体バフの効果で、盤面全体のマーロックを高スタッツにする
適応マーロック
メガサウルスの適応効果により、複数のマーロックに聖なる盾(ディバシ)と猛毒を付与する
ディバシメカ
攻撃力の高いハジキロボのディバシを何度も復活させる
断末魔メカ
メカーノエッグや旧型シュレッダーから生み出されるミニオンの数や、ブーマーロボの断末魔ダメージ回数を、バロンの効果で倍増させる
カレクドラゴン
雄叫びミニオンの売買により、カレクゴスの効果で盤面全体のドラゴンを高スタッツにする
ビッグデーモン
悪魔ミニオンの売買により、織屋や番人を高スタッツにする
ジャグラーデーモン
トークンを生み出す悪魔により、ジャグラーの効果による攻撃回数を増やす
インコゴルドリン
インコの断末魔発動効果でゴルドリンの断末魔を複数回発動させ、戦闘中にスタッツを大きく底上げする
トークン獣
群れリーダーや母熊の効果により、ネズミ軍団等の効果で生み出された獣トークンの攻撃力をバフする
老練海賊
ホガー船長の効果を用いた海賊ミニオンの低ゴールド売買により、老練略奪屋を高スタッツにする
混成
ブランや光牙の効果で複数の種族ミニオン(および花形選手)を効率良くバフし、高スタッツにする
これらの構成は、その特徴をもとに、以下の3つの型に分類できると考えています。
構成の分類
【高スタッツ型】
相手ミニオンを一撃で倒せる高い攻撃力(猛毒も可)と相手ミニオンの攻撃を複数回耐える体力を併せ持つ高スタッツなミニオンを複数体抱える構成。
例:ビッグデーモン、高スタッツマーロック、カレクドラゴン、インコゴルドリン、老練海賊、混成
【ディバシ型】
相手ミニオンを一撃で倒せる高い攻撃力(猛毒も可)と聖なる盾を併せ持つミニオンを複数体抱える構成。
例:適応マーロック、ディバシメカ
【手数型】
各ミニオンの攻撃力や体力は決して高くないが、ミニオンの効果で攻撃回数を増やすことで、総攻撃力を高める構成。
なお、ここまで述べた構成の名称、構成分類の名称についてはこだわる必要はありません。あくまでこの記事での便宜上の表現だと思ってください。
重要だと考えていることは、構成が3つに分類できること、そして構成分類の間には有利不利の相性関係があるということです。
2.構成分類の相性について
この3つの構成分類は3すくみの相性関係になっていると考えられます。
【高スタッツ型】<【ディバシ型】
例:高スタッツの織屋と番人が相手の猛毒ディバシ持ちマーロック1体に倒される。
【ディバシ型】<【手数型】
例:相手のジャグラーの砲撃で適応マーロックのディバシが破壊され、相手のジャグラーを倒せないまま、自分のマーロックがすべて倒される。
【手数型】<【高スタッツ型】
例:相手の織屋の体力が高すぎて、ジャグラーが砲撃を全弾撃ち切っても倒すことができない。
各プレイヤーの構成が固まってくるゲーム中盤(10ゴールド)以降の戦闘フェイズでは、この構成相性が勝敗のカギを握ると考えています。
同じ構成分類どうしでの戦闘フェイズの勝敗には、構成の完成度(配置や各ミニオンのスタッツ、構成の核となるミニオンの数)が重要になります。
一方、戦闘相手の構成との相性が有利であれば、多少相手よりも構成の完成度が劣っていたとしても勝てることが多いです。
他方、相性不利の構成に対しては、構成の完成度が大きく上回っていなければ、負けてしまうことが多いです。
構成分類による相性が大きいからと言って、不利な構成に対する戦闘を諦めてしまうと、ただダメージを受けてしまいます。
ゲーム中盤ならともかく、特にゲーム終盤(ヒーローのライフが少なくなりあと1回負けると脱落するような場面)では、順位を1つでも上げるために簡単には諦められないので、何らかの対策が必要となります。
3.構成分類ごとの対策について
相手の構成への対策には2種類の方法が考えられます。
対策1 相手の構成分類に相性が良いお助けミニオンを一時的に採用する
対策2 自分の構成を相手の構成分類に相性が良い構成に変更する
対策1 相手の構成分類に相性が良いお助けミニオンを一時的に採用する
バトグラには、構成の核とはならなくとも、特定の構成分類に対してのみ活躍するお助けミニオンが存在します。次の相手、ひいては今後戦う相手の構成を意識し、必要に応じて一時的にお助けミニオンを盤面に加えることで、戦闘での勝率を高めることができます。
VS【高スタッツ型】
相手の高体力ミニオンを一撃で倒せる猛毒
(例)マイエクスナ、猛毒を付与したマーロック、アマルガドン
相手の高い攻撃力を無視し攻撃するためのディバシ付与(自分も【高スタッツ型】の場合に限り)
(例)献身の英雄、ナディーナ(カレクドラゴンのみ)
VS【ディバシ型】
相手のミニオンのディバシを破壊しつつ、自分のミニオンにディバシを付与
(例)献身の英雄、ナディーナ(カレクドラゴンのみ)
相手のディバシミニオンの攻撃を複数回受ける挑発
(例)有徳の守護者、ヴォイドロード
※ 相手のディバシ付与用ミニオン(メカーノエッグ、ナディーナ等)を倒させない効果もあります
挑発を越えてディバシミニオンに攻撃
(例)グール、魔力砲、ブーマー、ヒドラ、リーパー
VS【手数型】
相手の核となる低スタッツミニオン(バロン、ジャグラー等)を挑発を越えて倒す
(例)ザップ、ブーマー
多くの攻撃を代わりに受ける(主にジャグラーデーモン向け対策)
(例)アニヒランのバトルマスター、インプママ、警備ローパー
対策2 自分の構成を相手の構成分類に相性が良い構成に変更する
相手の完成度が高く、かつ相性不利な場合、お助けミニオンではどうにもならないこともあります。そうした場合、いっそ今の構成を変更し、相手全体に相性の良い構成へ変更することも選択肢の1つです。構成の変更方法は大きく分けて2種類あります。
ブランとカドガーで雄叫びトークン召喚ミニオン(タイドハンター、野良猫)のトークンでトリプルを大量に作成し、報酬のグレード6ミニオンを利用して構成を変更します。変更先の構成はこんな感じです。
・【高スタッツ型】巨大虎猫:トリプル報酬から母熊を引き、野良猫のトークン(虎猫)への母熊のバフ効果をカドガーで重複させ、巨大な虎猫を複数作る
・【ディバシ型】適応マーロック:トリプル報酬からメガサウルスを引き、タイドハンターのトークンにディバシと猛毒を付与する
・【高スタッツ型】グッドスタッフ:上の2つが作れない場合、バフ無しでも高スタッツなグレード6ミニオンを並べて誤魔化す
ブラン見張り番
ブランで見張り番のマーロック発見効果を複数回発動させ、何らかのマーロックでトリプルを作成し、報酬のメガサウルスで【ディバシ型】適応マーロックへと変更します。
こうした構成変更のうち、適応マーロックへの変更が通称「マロチェン」です。
【ディバシ型】へと構成変更するマロチェンは【高スタッツ型】に勝つための方法なので、特に【手数型】の構成を使っている場合はマロチェンを意識しておくことが大事です。
なお、こうした構成変更には必要なミニオンが多く、かつ構成変更まで盤面に出せないミニオンがほとんどです。1ターンで必要なミニオンを集めて変更することはゴールド上、制限時間上難しいので、数ターンかけて手札に抱えて準備しておく必要があります。
さらに、ブランカドガーでの構成変更では、トークンの召喚に時間がかかるため、たとえ必要なミニオンをすべて手札に抱えていても時間内に操作が間に合わないこともあります。そのために、変更前ターンの戦闘フェイズに入る前に一度ゲームのウインドウを閉じ、再起動することで準備フェイズの時間を確保する、所謂「タスクキル」も考慮しておくべきです。
4.構成の考察が勝率向上に与える影響
ここまで述べた構成に関する考察は、バトグラというゲームの勝率を上げる影響があると考えています。
ゲーム終盤で順位を向上するプレイができる
全体的にヒーローの体力が少なくなり脱落者が増え始めるゲーム終盤にかけては、直近数回の戦闘で脱落しないことが順位を上げるうえで重要になってきます。
そうしたゲーム終盤においては、次の対戦相手(ないしは今後の対戦相手)の構成が自分にとって相性の悪い構成である場合、単純に盤面の完成度を高めるよりも、相手の構成を対策する方が、脱落しないためには効果的なことが多いです。終盤で1つでも高い順位を目指すためには、こうした生き残るためのテクニックを把握し、実行できるようにすべきと考えています。
勝率が高い構成を選択できる
バトグラは、ボブが酒場に並べるミニオンをもとに、より勝ち残れるためにはどうするかを考えてプレイするゲームです。決して、ゲーム前から構成を決め打ちするゲームではありません。
しかし「どの構成が勝率が高く、どの構成が勝率が低いか」ということはゲームを始める前から予め知っておき、勝率が高い構成を視野に入れ、ヒーローやゲーム序盤~中盤での購入ミニオンを選択すべきです。
どの環境においても何らかの構成が流行します。流行する理由は勝率が高いか有名配信者が好んで使っているか等様々ですが、ここで大事なのは「流行している構成に有利な構成は勝率が高くなり、不利な構成は勝率が低くなる」ことです。
例えば、鯖がいた以前の環境では【ディバシ型】のディバシメカ&鯖が流行しておりました。そのため、ビッグデーモンや混成に始まる【高スタッツ型】は鯖やハジキに一方的に倒され下位落ちしていた一方、ジャグラーデーモンや断末魔メカなどの【手数型】は【ディバシ型】に強いため、上位になることも多かったと感じております。(実際に、鯖がいた時期といない時期で、織屋の利用頻度が大きく変わった方は多いのではないでしょうか...)
2020年8月現在の環境においてどんな構成が流行しているかは私自身も自信がないので、ここで論じるのは避けさせてください。ここでは「流行と構成分類の相性から、勝率の高い構成を選択できる」ことだけを主張させて頂きます。
5.おわりに
私はハマっているゲームの記事を読むのが好きです。しかし、今自分が一番ハマっているバトグラというゲームには、最近の記事が少なく、少し不満に感じています。そこで、もっと記事が生まれる流れを作りたく、まずは自分から、ということで今回初めて記事を執筆しました。
現環境における各ヒーローの立ち回りや強い構成については他の記事があったので、本記事では「構成」という環境に依らない汎用的な概念について執筆してみました。私自身、終盤のプレイに自信が無く、記事としてまとめることで整理したい、という目的もあったりします。
ご感想やご意見については歓迎しますので、お気軽にtwitter(@PEI8974)へ返信・DM頂けると嬉しいです!また、この記事を読んで「自分も書いてみようかな」と思って頂けると、とても嬉しいです!
なお反響が良ければ、各構成についてもう少しクローズアップした記事や、各種族BANの影響についても書いてみよう、と今時点では考えています。